西洋占星術では「月」の星座で占う方法があります。
テレビや雑誌などの西洋占星術、いわゆる星占いや12星座占いと呼ばれているもの
はホロスコープ上の「太陽」の星座を見て占っているもので、12星座は太陽の軌道
(黄道)上にある12の星座のことです。黄道12星座とも呼ばれています。例えば
私の星座は「私が生まれた時のホロスコープ図を見ると魚座のところに太陽があった」
ので魚座です。ということになります。簡単に言うと「太陽」は人の意識的な心を占
うことができます。それに対し「月」は人の無意識の心を占うことができます。太陽
星座を見る方法と同じで、惑星「月」(西洋占星術では月も惑星と考えます)がホロ
スコープ上のどの星座にあるかで自分の月の星座は何かを知ることができるのです。
私の月の星座は「私が生まれた時のホロスコープ図を見ると魚座のところに月があっ
た」ので魚座です。といった具合です。
ホロスコープとは占いたい時の瞬間に惑星がどんな配置にあったかを表したものです。
ホロスコープは地球を中心に描かれた天体図で、地球の周囲を惑星がまわっていると
いう天動説の考え方です。面白いですよね。
宿曜占星術はまさに月の周期で占うものです。
宿曜経や密教占星術などとも呼ばれており、その占術の原点はインドにあるようです。
インドから中国に渡り平安時代に弘法大師空海が日本に持ち帰り研究が進んだことか
ら「密教」と呼ばれているようです。
このサイトでは「宿曜占星術」と呼び名を統一することにしました。
「宿曜占星術」は、月の軌道(白道)を27の宿にわけて月の運行で月がどこの宿に入
っているかを見て占います。月で見る占いの中では「宿曜占星術」が最も幅広く占う
ことができますが、特に日々の運勢や人の相性を見るのに適しています。
読んで字のごとくですが、生まれた日の月がどんな形だったかで占います。
生まれた日の月の形は、その人の生まれもった本質を占うことができます。
自分が生まれた日、夜空にはどんな形の月があったのか知りたくなりますよね。
月は新たな生命の誕生を見守ってくれているのです。
タロットカードの中には「月」のカードがあります。タロットカードは78枚を一組とします
が、その中に22枚の大アルカナ(majorarcana)と呼ばれているカードがありその中の
一枚が「月」The Moonです。
タロットカードの月のイメージワードは、「胸騒ぎ、不安、虫の知らせ、予感、恐怖、懸念、
うそ、うつろいやすさ、幻滅、秘密の行動、スキャンダル、危険、状況の変化、家庭、家族、
夜、夢、感情、墓地、故郷、アニメーション、
漫画、ファンタジー」(東條真人著1994『タロット大事典』国書刊行会)
「迷い、イマジネーション、偽り、動揺、夜、長引く状況、不安、裏と表、隠れた適、変動、
ごまかし、未知からくる恐怖、情緒」(ルナ・マリア著2011『いちばんやさしいタロットの
教科書』株式会社ナツメ社)
「本能、直観、精神錯乱、謎」(鏡リュウジ監修2012『タロットバイブル』朝日新聞出版)
いずれもなんだか神秘的で不安定な雰囲気が漂っていますね。
タロットカードの月は、日々変化する月、そしてその月を眺める私たち自身の気持ちと
同じく不安定なものを象徴しているようです。
ただタロットカードは正位置と逆位置では解釈の仕方が異なり、「月」のカードは逆位
置だとプラスの解釈になります。「月は、不安定で混乱した時期を経て、隠れた才能を
見つけ出すという意味です。」(アニー・ライオネット著2009『タロット』ガイアブックス)
暦(こよみ)についても少し触れさせていただきます。かつて日本では月の満ち欠けを
もとにした暦「太陰暦」を使用していました。太陰暦は新月の日を朔日(ついたち)
1日とし、翌日は2日、翌々日は3日となり、月の形と日が一致していてわかりやすい
のが利点でしたが、ただこの方法だとだんだん誤差がでてくるのです。詳しい話はまた
別の機会があればしたいと思いますが、毎年11日ほどずれがでますから3年で1か月
ほどもずれてくるのです。
ずれることで日と季節が合わなくなってきます。そのずれを調整するために3年に一度
閏月(うるう月)をもうける「太陰太陽暦」が使用されました。その後、現在使用されている
「太陽暦」が日本では明治5年11月9日から採用され11月9日を「太陽暦採用記念日」と
しています。「太陽暦」は日付と季節の誤差がほとんどないのが利点で、4年に一度閏日
(うるう日)をもうけて誤差を調整しています。月を全く考慮しない暦ですが「十五夜」など
旧暦を用いた行事が今でも行われて引き継がれていますね。